ネオジム磁石
ネオジム磁石は、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石です。
希土類は、レア・アースとも呼ばれ、優れた磁気特性、物理的特性をもっています。
ネオジム磁石は、永久磁石の中で最も強力な磁力をもつため、ハイテク産業の特徴である小型化・高性能化で重要な役割を担っています。
主な用途
ハイブリットカー・MRI・HDD・DVD、CDプレーヤー・小型スピーカー・携帯電話・時計・雑貨
サマリウムコバルト磁石
希土類磁石のひとつであるサマリウムコバルト磁石は、主成分がサマリウムとコバルトから成る磁石で、その磁気特性はネオジム磁石に次いで優れたものです。
主な用途
高温環境での使用・小型磁気センサー・マイクロスイッチ・小型リレー・光通信・レーザー機器
異方性フェライト磁石
異方性フェライト磁石は、酸化鉄(主原料)、バリウム、ストロンチウム等から成る永久磁石です。
1μ程度に粉砕された材料を成型することで製造されますが、成型には湿式と乾式という方法があり、湿式の方が磁力は強くなります。
また、成型は磁界中で行われるため、一定方向に磁束が向くようになります。
希土類磁石に比べ磁気特性は低いものの、安価であることから幅広く使用されています。
主な用途
スピーカー・汎用モーター・健康器具
等方性フェライト磁石
等方性フェライト磁石は、酸化鉄(主原料)、バリウム、ストロンチウム等から成る永久磁石です。材料を0.1~0.5mm程度の顆粒状にして成型されます。
磁場成型していないことから、どの方向にも磁力を入れることが出来ますが、磁力は異方性フェライト磁石の約半分位になります。
希土類磁石に比べ磁気特性は低いものの、安価であることから幅広く使用されています。
主な用途
スピーカー・汎用モーター・健康器具
フェライト鏡面磁石
表面を研磨して鏡面のように仕上げたフェライト磁石。
※材質の特性は、比較表、磁気特性参照
特徴
・メッキやコーティング等とは異なり、磁石そのものの表面加工のため剥げない。
・様々な形状のフェライト磁石で加工可能。
・黒く、深い輝きがあり、ブレスレットやネックレス等の装飾品にも利用可能。
・直接肌にふれる健康機器等に応用可能。
注)強い摩擦・衝撃が繰り返されると表面加工が削れることがあります。
フェライト特殊着磁品
径方向や多極で着磁された磁石です。
※一般的な着磁は磁石の厚み方向にNS(2極)
特徴
異方性磁石、等方性磁石を使用。
アルニコ磁石
アルニコ磁石は、アルミニウム、ニッケル、コバルト等を原料とし、鋳造もしくは焼結で製造された磁石です。
磁力は低くないものの、減磁しやすいので取扱には十分注意が必要です。
主な用途
電動機・センサー・スピーカー
磁石の特性比較
比較項目 | ネオジム | サマリウムコバルト | アルニコ | フェライト |
---|---|---|---|---|
磁束密度(磁力の強さ) | ◎ | ◎ | ○ | △ |
保磁力(磁力の減りにくさ) | ◎ | ◎ | △ | ○ |
耐衝撃性 | ○ | △ | ◎ | △ |
防錆特性 | △ | ○ | ○ | ◎ |
耐熱性(高温環境での使用状況) | △ | ◎ | ◎ | ○ |
コストパフォーマンス | ○ | △ | △ | ◎ |
◎非常に高い / ○ 高い / △ 低い
磁石は、材質によって特性が異なります。
使用目的に最適な磁石を選ぶ上では、各磁石の特性も重要なポイントとなります。
注)製品は予告無く変更する場合があります。